私が蛙にされた悪役令嬢になるなんて、何かの冗談ですよね?
3-5 魔法使いと夜のデート?
気付けば私は魔法使いに抱きかかえられ、夜空をふわふわ浮かんでいた。
その高さは半端なく、お城が遥か下に見える。
「キャアアアアアアッ!! い、いきなり何よ! こ、こんな高いところ飛ばないでよ! フクロウのときでさえ、ここまで高いところを飛んだこと無いのよ! ましてや今の私は空を飛べない子猫なんだからーっ!」
「うわ! あ、暴れないでおくれよ! 大丈夫だってば! 僕が偉大な魔法使いなのは知ってるじゃないか。落とすはずないだろう?」
魔法使いは私を両手に抱きかかえ、顔を覗き込んできた。
「う〜……わ、分かったわよ。信じることにするわよ……」
渋々頷くと、魔法使いは口元に笑みを浮かべた。
「よし、それじゃ2人で夜空のデートを楽しもう」
え? デート?
一体、何処から何処まで本気で言ってるのかは不明だけども私は特に否定もしなかった。
「そうね。それじゃこれから何処かへ行くの?」
「う〜ん……そうだな。何処か行きたい場所はあるかい?」
首をひねる魔法使い。
「そんなこと言われてもね〜。大体私は異世界人だし、このお城と周辺の森しか知らないから何処に行きたいか言われても困るわよ」
「なる程……よし、それじゃサファイアの住んでいた屋敷に行ってみようか?」
「え!? ちょ、ちょっと待っ……」
言いかける私の言葉を無視し、魔法使いはパチンと指を鳴らした。
一瞬、身体がまるで無重力状態になったかのような空気にフワリと包まれた瞬間、目の前の光景が変わった。
今迄私の目の前には美しい星空しか見えなかったのに、今私の目の前には4階建ての大きな屋敷がそびえ立っている。
「えっと……こ、ここは……?」
すると魔法使いが屋敷を見上げながら教えてくれた。
「ここは侯爵令嬢サファイアが住んでいた屋敷だよ。でも見覚えが無いということは……やっぱり君はサファイアでは無いんだね」
「そうよ。何度も説明したじゃない」
「う〜ん……」
魔法使いはしばし考え込む素振りを見せ……。
「よし、中に入ってみようか? とりあえずは……サファイアの部屋に行ってみよう」
「はぁ!? ちょ、ちょっと待って! まさか不法侵入するつもり……キャアッ!」
魔法使いは再び指をぱちんと鳴らした途端似、目の前の光景が再び変わった。
目の前に現れたのは月明かりに照らされた広々とした部屋だった。高い天井には明かりの灯されていないシャンデリア。
床にはカーペットが敷かれ、天蓋付きの大きなベッドが置かれている。部屋に置かれた調度品はどれも豪華そうで、まるでお姫様のような部屋だった。
「もしかして、この部屋って……」
「そうだよ、ここはサファイアの部屋だったのさ。どうだい、素敵な部屋だろう?」
「ええ、そうね。凄いわ……。まるでスイートルームみたい!」
私は興奮気味に頷いた。
「スイートルルームって言葉はよく知らないけれど……。ねぇ、聞きたいことがあるのだけど……君はこの屋敷でサファイアとして暮らしたくはないのかい?」
魔法使いが突然私に尋ねてきた――
その高さは半端なく、お城が遥か下に見える。
「キャアアアアアアッ!! い、いきなり何よ! こ、こんな高いところ飛ばないでよ! フクロウのときでさえ、ここまで高いところを飛んだこと無いのよ! ましてや今の私は空を飛べない子猫なんだからーっ!」
「うわ! あ、暴れないでおくれよ! 大丈夫だってば! 僕が偉大な魔法使いなのは知ってるじゃないか。落とすはずないだろう?」
魔法使いは私を両手に抱きかかえ、顔を覗き込んできた。
「う〜……わ、分かったわよ。信じることにするわよ……」
渋々頷くと、魔法使いは口元に笑みを浮かべた。
「よし、それじゃ2人で夜空のデートを楽しもう」
え? デート?
一体、何処から何処まで本気で言ってるのかは不明だけども私は特に否定もしなかった。
「そうね。それじゃこれから何処かへ行くの?」
「う〜ん……そうだな。何処か行きたい場所はあるかい?」
首をひねる魔法使い。
「そんなこと言われてもね〜。大体私は異世界人だし、このお城と周辺の森しか知らないから何処に行きたいか言われても困るわよ」
「なる程……よし、それじゃサファイアの住んでいた屋敷に行ってみようか?」
「え!? ちょ、ちょっと待っ……」
言いかける私の言葉を無視し、魔法使いはパチンと指を鳴らした。
一瞬、身体がまるで無重力状態になったかのような空気にフワリと包まれた瞬間、目の前の光景が変わった。
今迄私の目の前には美しい星空しか見えなかったのに、今私の目の前には4階建ての大きな屋敷がそびえ立っている。
「えっと……こ、ここは……?」
すると魔法使いが屋敷を見上げながら教えてくれた。
「ここは侯爵令嬢サファイアが住んでいた屋敷だよ。でも見覚えが無いということは……やっぱり君はサファイアでは無いんだね」
「そうよ。何度も説明したじゃない」
「う〜ん……」
魔法使いはしばし考え込む素振りを見せ……。
「よし、中に入ってみようか? とりあえずは……サファイアの部屋に行ってみよう」
「はぁ!? ちょ、ちょっと待って! まさか不法侵入するつもり……キャアッ!」
魔法使いは再び指をぱちんと鳴らした途端似、目の前の光景が再び変わった。
目の前に現れたのは月明かりに照らされた広々とした部屋だった。高い天井には明かりの灯されていないシャンデリア。
床にはカーペットが敷かれ、天蓋付きの大きなベッドが置かれている。部屋に置かれた調度品はどれも豪華そうで、まるでお姫様のような部屋だった。
「もしかして、この部屋って……」
「そうだよ、ここはサファイアの部屋だったのさ。どうだい、素敵な部屋だろう?」
「ええ、そうね。凄いわ……。まるでスイートルームみたい!」
私は興奮気味に頷いた。
「スイートルルームって言葉はよく知らないけれど……。ねぇ、聞きたいことがあるのだけど……君はこの屋敷でサファイアとして暮らしたくはないのかい?」
魔法使いが突然私に尋ねてきた――