とある女子高生の愛情表現

1話

外部からの光を遮断するかのように閉められたシャッター。
その内側で、女子高生、内山莉々は動くことなく棒立ちしていた。
視線の先にあるのは、首から大量の血を流し倒れている女子生徒の姿。
制服からして他校の生徒だろう。

「…これで、直君にもっと愛してもらえる」

返り血を浴びた包丁を片手に持ち、莉々は幸せそうに微笑んだ。
ヴー…
制服のポケットの中にあるスマホが振動する。汚れていない方の手でポケットを漁りスマホを取り出すと、暗闇の中で画面を開いた。

《都内在住の齋藤亜美さんが行方不明。2日前から捜索を開始するも未だ発見できず…。》
「…………邪魔者は、徹底的に排除しなきゃ」

――――――トンッと携帯の画面を叩く。莉々は怪しげに口角をあげると、血だらけになった死体を見つめた。




────❁⃘*.゚────




翌日。
朝六時半を知らせる目覚ましのアラームと一緒に、莉々は目を覚ます。ベッドの上でうんと伸びをすると、小煩い目覚ましを勢いよく止めた。

昨日、また1人殺した。これで何人目だろうか。虚ろな目を擦りながら、莉々は指で殺した人数を数える。

1、2、3、4。

「4人かあ…そろそろ捕まっちゃうかな⋯」

殺した人物は全員自殺と見せかけているため、あまりニュースにはならない。しかし、昨日殺した女子高生は親が激怒し警察に掛け合わせたのか、ニュースになってしまったのだ。身元特定の危険性が高まっていた。

しかし、莉々はそれに怯えることなく、学校に行く支度をし始める。

「莉々ー!ご飯よー!」
「はーい!」

1階から母親の声が聞こえ、莉々はカバンを持って部屋を出た。
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