悪役令嬢なママを城内アイドルにします~歌って踊れるお妃様育成物語~
確かに城へと続く橋は長く、その先がどうなっているのか見えないほどだ。

なによりも言葉をしゃべる犬に興味を持って保護したところ、なんとプルーも以前は令和の東京に暮らしていたという。

元はアイドル育成のアシスタントをしてたのだとか。
「国を出て行かせてどうするつもり?」

「自分がマルセルの妻になるつもりなんだ。その方が安定するから」

確かに第2王子であるパパよりも地位は安定するかもしれないが、今でも十分裕福な暮らしをしているというのに。

「パパを捨てるなんて可愛そう」

「もしくは、フーリアとマルセルの地位を同時に落としたいのかもな。兄夫婦がいなくなれば城も国もエレーヌのものになる」

「なんて傲慢な……」

「兄のマルセルは将来この国だけじゃなく、周辺の国も統一すると言われているからな。そうなればもうなにも恐いものはない」
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