利害婚~閉じ込められてきた令嬢の初恋~
次にエルーシアが目を覚ますと、視界に入ったのは見慣れない真っ白な天井。
驚いて起き上がろうとするものの、襲い来る空腹感には勝てず。また、寝台の上に横たわってしまう。
「……お腹、空いた」
しっかりと計算できていないが、軽く五日は食事を摂っていないだろうか。これでは、お腹が空いても当然と言えよう。
そもそも、生き物とは食事をせねば生きていけないのだ。多少なりとも人と違うエルーシアであっても、その根本の部分は一緒だ。
「なにか、食べ物……」
視線を動かす。なんでもいい。この際、果実水でもいいから――栄養を摂りたい。
そう思って視線を動かしていれば、寝台の隣にある小さなテーブルの上に水差しが置いてあるのがわかった。
正直、水だけで腹が膨れるとは思えない。それでも、ないよりは――と思って、手を伸ばしたとき。部屋の扉が開いたのがわかった。
「あっ! 起きられましたか!」
誰かが声を上げながら、エルーシアのほうに近づいてくる。その声は、聴きなれないもの。ついでに言えば、女性のようだ。
「お水ですか? すぐにご用意しますね」
その女性はエルーシアが水差しに手を伸ばしているのを見てか、すぐに動いてくれた。
側に置いてあるグラスに水を注いで、エルーシアに手渡してくれる。だからこそ、エルーシアはそのグラスに口をつける。
ひんやりとした水は、渇いた喉を潤してくれる。……が、お腹は満たしてくれない。
驚いて起き上がろうとするものの、襲い来る空腹感には勝てず。また、寝台の上に横たわってしまう。
「……お腹、空いた」
しっかりと計算できていないが、軽く五日は食事を摂っていないだろうか。これでは、お腹が空いても当然と言えよう。
そもそも、生き物とは食事をせねば生きていけないのだ。多少なりとも人と違うエルーシアであっても、その根本の部分は一緒だ。
「なにか、食べ物……」
視線を動かす。なんでもいい。この際、果実水でもいいから――栄養を摂りたい。
そう思って視線を動かしていれば、寝台の隣にある小さなテーブルの上に水差しが置いてあるのがわかった。
正直、水だけで腹が膨れるとは思えない。それでも、ないよりは――と思って、手を伸ばしたとき。部屋の扉が開いたのがわかった。
「あっ! 起きられましたか!」
誰かが声を上げながら、エルーシアのほうに近づいてくる。その声は、聴きなれないもの。ついでに言えば、女性のようだ。
「お水ですか? すぐにご用意しますね」
その女性はエルーシアが水差しに手を伸ばしているのを見てか、すぐに動いてくれた。
側に置いてあるグラスに水を注いで、エルーシアに手渡してくれる。だからこそ、エルーシアはそのグラスに口をつける。
ひんやりとした水は、渇いた喉を潤してくれる。……が、お腹は満たしてくれない。