線香花火のようなあの夏の恋
生徒に呼ばれて夏希ちゃんが教室に戻っていく。



「ねえ!」


「うお、びっくりした…なに?」



ずいっと男の子に一歩近づき、ずっとうずうずと気になっていたことを口にする。



「あんた…梶くん、は、夏希ちゃんと付き合ってるの!?」


「は?」



あの空気感は絶対、ぜーったい恋人のものだ。お互いがお互いを信頼し合っている…みたいな。


漫画とかドラマでよく見るようなものではなく、リアルな高校生の恋愛だ。



「…付き合ってないけど」


「うんうん、やっぱそう…って、ええ!?付き合ってない!?」
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