線香花火のようなあの夏の恋
「夏希とは小さい頃から家族ぐるみで仲がいいだけ。付き合ってねぇよ」


「なーんだ…」



でも、つまり、二人は幼なじみということか!


夏希ちゃんのあの感じからして、梶くんを好きなことは昨日話したばかりの私でもわかる。


あとは梶くんが一歩勇気を踏み出すだけなのにー…。



「でも、梶くんは実は夏希ちゃんのことが好きなんでしょ?」


「はあ?だから、夏希はただの幼なじみだって。ガキの頃からずっと一緒にいたのに、今さら恋愛感情もなにもねぇよ」


「でもそういうのって大抵最後には幼なじみ同士でくっつくパターンじゃん。リアルでそんなのエモいじゃん!」



梶くんは鬱陶しそうに顔をしかめていた。



「…あんた、恋愛経験ないだろ。そんで、友達もいないだろ」
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