線香花火のようなあの夏の恋
「はあ!?いや、こっちのセリフなんですけど!」



顔をしかめる梶くんに、負けじと大声で言い返す。


…が、ふと、今の自分がすっぴんでダル着でとても人に見せれるような格好ではないことに気づき、慌てて手で顔を隠しながら俯く。



「…なにしてんの?」


「まって、見ないで!今すっぴんだから!」



近くだからと油断していた。まさかよりによって梶くんと会っちゃうなんて。


絶対バカにされる。



「別に、全然変わんねぇけど?」


「え?」



思わず顔を上げると、いつの間にか顔を近づけてきていた梶くんとのあまりの近さに驚く。
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