線香花火のようなあの夏の恋
でも、梶くんには初めから壁を作っていない気がする。


他の人と梶くん。その違いは一体なんなんだろう…。



「よくわかんないけど、俺がおまえの初めての友達ってことか。よかったじゃん、友達ができて」


「な…っ、何その上から目線!てか、あんたと友達になんてなりたくないし!…ま、まあ、どうしても私と友達になりたいっていうなら、なってあげてもいいけど…」


「ははっ、素直じゃないやつ」



梶くんがくしゃっと初めて見せる顔で笑った。


そして、その柔らかい笑顔からなぜか目を離すことができなかった。



頬が熱いのはきっと、今日が夏の夜だからだ…。
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