線香花火のようなあの夏の恋
速水くんがいる教室に戻る気も起きなかったため、学校の近くのパン屋で買ったパンを一人公園で頬張っていると、突然後ろから梶くんが現れた。



「びっくりした…急に現れないでよ」


「そっか、友達いないからぼっちなんだっけ」


「は、はあ!?こ、これは、たまたまっていうか…」


「こんなとこいたって楽しくないと思うけど。…来て」


「え?」



梶くんに手を握られたかと思うと、そのまま歩き出された。



「ちょ、どこ行くの!?」


「もう着く」



信号を渡り真っ直ぐ歩いていくと、商店街らしきものが見えてきた。
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