線香花火のようなあの夏の恋
私には最高の一日オフ計画があるんだから。こんなナンパ男に邪魔されてたまるか。


そう思い、さっさと行こうとするとそれよりも先に男の人に腕を掴まれた。



「そんなこと言わずにさ、ね?これから連れも来るから」


「ちょ…っ、離してよ!」



腕を振った拍子に被っていた帽子が落ちてしまい、束ねていた最近ピンクブラウンに染めたばかりの腰まである髪の毛も一緒に露わになる。



「え?もしかして君…」


「離せよ」



男の人が何かを言いかけたが、それは間に入ってきた制服姿の男の子によって遮られた。



「嫌がってんだろ」


「え?な、なんだよ、おまえには関係な…」
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