線香花火のようなあの夏の恋
「…きゃ、つめた!?」



突然、俯けていた顔に冷たい水がぴゅっとかかってきた。


顔を上げると、梶くんが水鉄砲を一つ私に向かって投げてきた。



「愛菜もこっち来いよ。それとも水鉄砲も使ったことない?」


「はあ!?ちょっと、なめないでよね。スナイパーの役だってやったことあるんだから!」



梶くんに向かって水を放つが、ひょいっと避けられて後ろにいた男の子の顔にかかった。



「うわあ!?え、愛菜ちゃん?」


「あ、ごめ…」


「やったなー!」



仕返しとばかりに私を狙ってくる男の子から笑いながら逃げる。
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