線香花火のようなあの夏の恋
「速水くんが屋上で花火やってること教えてくれて、楽しそうだから来てみたの」


「速水…ああ、あの俳優の」


「梶くんはみんなと花火やらないの?」


「やってたけど疲れたから寝てた」



久しぶりだからか、どんな感じで梶くんと話していたのかわからなくて緊張で心臓の音が聞こえてしまいそうだった。


ここに来たはいいけど…このあとどうしよう。



「花火、やる?」


「え?」



梶くんがポケットから線香花火を二本取り出した。



「線香花火なんて…久しぶりかも」


「俺も」
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