線香花火のようなあの夏の恋
「…そんなにあいつが好きなんだね」


「え?」


「愛菜ちゃん、顔真っ赤だよ」



速水くんに指摘されたからか、ぶわっと一気に頬に熱が集まってきた。



「うわ、恥ずかしい…。おかしいよね。ちょっと話しただけなのに、こんなにドキドキしちゃって…」


「おかしくないよ。それが恋ってことでしょ」


「これが、恋…」



梶くんの一喜一憂にドキドキして、笑ってくれるだけで胸が苦しくなって、こんな気持ち初めて知った。


恋ってこんなにも相手のことでいっぱいいっぱいになっちゃうんだ。



「花火、誘ってくれてありがとう。速水くんのおかげで梶くんと久しぶりに話せたし、花火もできて楽しかった」


「…そっか」
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