線香花火のようなあの夏の恋
「愛菜さ、まだ速水くんとのキス引きずってんの?速水くんもどんな意図でフリだったのに本当にしてきたんだろうね」


「…告白、された。私のことが好きだって」


「え!?すごいじゃん。あの速水くんが愛菜に本気で恋するなんて。さすがだね、私の姪は」



あははと笑っているカナちゃんに、私は力ない笑顔しか返すことができなかった。



「…速水くんはなしなの?結構素出してた気がするけど」


「速水くんは…友達だもん。それに私は…」



梶くんのことが…。



「あのエキストラの子は、やめときなさい」


「…え?」


「私が何も知らないと思ってた?わかるわよ、誰よりも愛菜の近くにいるんだから。でも、あの子はダメ」
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