線香花火のようなあの夏の恋
「どうして…っ、なんで梶くんはダメなの?」


「思い出して、愛菜。あなたは芸能人なの。速水くんならまだ百歩譲って同じ芸能人だし、もし仮に世間一般に広まってしまったとしても、うまく対処することができる。だけど、あの子は一般人なの。愛菜だけじゃなくて、あの子まで傷つけられてきっとお互い不幸になる」



–––「本当にあいつと一緒にいて愛菜ちゃんは幸せになれる?」



私の幸せなんてどうだっていい。


だけど、私の気持ちを伝えることで、梶くんが幸せになれないなら…私は梶くんの幸せを守りたいって思う。





「愛菜…!」



次の日。梶くんがまるで私を待っていたかのように、校門の前にいた。


チラリと心配そうな視線を向けてくるカナちゃんに大丈夫だと頷いて、梶くんの元へ行く。



「…なに?」
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