線香花火のようなあの夏の恋
どうして今カナちゃんの言葉を思い出したのかわからなかった。


わからなかったけど、気づいたら私は一年間抱え続けていた想いを溢れさせていた。



「芸能人とか一般人とか…そんなの関係ないよ。だって好きになっちゃったんだもん。モデルの仕事も女優の仕事もどっちも大好きだけど、それよりも大好きになっちゃったの!私のせいで不幸になるって?そんなことさせない。私が梶くんを幸せにするから!」



はあはあと一気に言い終わり、やっと我に返るがもう遅かった。


や、やってしまった…。



「あ、愛菜ちゃん…!」



速水くんの止める声が聞こえてきたが、無我夢中で会場を飛び出す。



ああ、もう!私のバカ!何やってんだろ…。


一番聞かせたい梶くんはここにいないのに、聞いてるかもわからないのに、一年間の想いが爆発してしまった。



「愛菜!」
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