線香花火のようなあの夏の恋
最後に絢斗に笑顔を返して、屋上を後にした。



もしも、私が絢斗の幼なじみじゃなかったら結末は変わっていたのかな…?


…ううん、きっと絢斗と高城さんはどんな境遇でも出会って恋に落ちる、そんな運命だったんだ。


二人がいつかまた笑い合って隣に並んでいる、そんな日が来るといいな。


そして私にも、そんな運命の人が現れるその日まで気長に待つとしよう。



窓から見えた夏の空は、澄み切っている青がどこまでもどこまでも続いていた。
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