生徒会のお姫様は無自覚に魅了する~男子校に入学しました~
放課後──。
生徒会に行くと、もうみんなが揃っていた。
「やっほ月~」
いつも通りのテンションで雨が話しかけてきて、私は無言で笑みを返す。
「月、大丈夫だったか?」
「大丈夫?・・・頭?」
「違う違う」
冗談で訊いてみると、空はニコニコと笑った後に真剣な顔になった。
「雪と光のコトだ」
あぁ、それね・・・ってかあの後、2人どうなったんだろう?
「なんか最後に喧嘩始めたから置いてきたよ」
「そうか。まぁ実力があれば結構なんだが」
空は興味をなくしたように机に向き合い、資料をパソコンに打ち込んでいく。
「さて、私も始めようかね。なにすればいい?」
暇そうにしていた桃に声を掛けると、代わりに苺が答えてくれた。
「ん-、そうだね・・・仕事については間に合ってるし、トーナメントの準備してくれる?」
「オッケ」
任せてーとウインクすると、雨がふふふと笑ったのが視界の端に映る。
私は元々、女子だけど可愛いより格好いいと思われたかった。
チュリには可愛い担当の雨がいるし、格好いい担当も一応いるけど。
やっぱり総長は格好いいほうがいいよねってコトで。
でも・・・私は格好よくなんてなれなかった。
可愛くもなれなかったけど、どちらかと言うと可愛いのほうが合ってると気づいたから。
だから、ただただ純粋無垢な可愛さじゃなくて、ホラーな可愛さを磨くコトにした。
私は人に関心がなかったし、感情もあまり動かない。
私がなにかに対してなにか思うのは・・・。
喧嘩を挑んであっけなく敗北した奴は滑稽だなぁって。
裏で嫌がらせをして、表では可愛い子ぶってる奴は醜いなぁって。
喧嘩して半殺し・・・いや、三分の二殺ししたときは気持ちいなぁって。
登場だけで怯えてくれるのは爽快だなぁって。
人としてちょっとだけ最低なコトしか考えてなかった。
今もそうだし、前も言った通り幹部がどうなろうと寂しいとかはない。
強い奴がいればいいんだから。
逆に言えば、弱い奴が幹部になったら追い出してやる。
物理的にも、精神的にもボロボロなゴミにして。
だからこそ怖さが出るんだよなーと思いながら今まで総長をやっていた。
いや・・・やっていたじゃなくてやっているだけど。
少しは怒ったり悲しんだりするべきだよなぁ・・・。
でも急に怒り狂えとか泣けとか無理だし、言わずとも。
「・・・ん」
私は前、敵対していた族に『ロボット女』と呼ばれていた。
まあ、その族はもう潰したけど。
くわしく言うと、そのあだ名にキレた空たちが。
そんな怒ったりできる幹部たちの中に、なにも感じない総長がいる。
喧嘩するときにやっぱり怖いとか残酷だとかは思わない。
今もそうだし、だから容赦なく三分の二殺しにできる。
総長としてはまぁまぁいいだろうし、私も幹部も下の子たちもニコニコ笑って『総長らしくていいです』と言ってくれた。
終始ニコニコするのは、苦痛ではない。
小さいころから自分の評価を上げるために口角もあげてたから。
「・・・ん、はい」
トーナメント表とくじが作り終わったので、私は雨にそれを渡す。
「どうしたの~?・・・ってもう終わったの?さすが月~!」
「じゃあもう準備OKだな。月は癒し担当として存在していてくれ」
「癒し・・・?雨じゃないの?」
「・・・月って変なトコで無自覚だよね~・・・」
空のセリフに首をかしげると、雨が呆れたような視線を送ってきた。
「とにかく、生徒会室に居てくれるだけでいいってコト」
苺も参戦して、私にそう言う。
なるほど・・・?なのか?
私が癒しになるかどうかだったらNOだと思う。
癒しというかというと・・・どちらかというと、威圧。
我ながら自分こわい・・・とはならないけど、一般的には怖いはずだ。
「月は今日も可愛い」
ぼそりと、でもはっきりと言った桃に思わず苦笑した。
「・・・ホント」
私が本気にしてないと伝わったのか、桃は不服そうに付け足す。
「そんなにご機嫌取りしなくてもいいんだよ」
あっははと笑って見せると、桃含めみんながこりゃ駄目だ・・・と頭を抱えてしまった。
生徒会に行くと、もうみんなが揃っていた。
「やっほ月~」
いつも通りのテンションで雨が話しかけてきて、私は無言で笑みを返す。
「月、大丈夫だったか?」
「大丈夫?・・・頭?」
「違う違う」
冗談で訊いてみると、空はニコニコと笑った後に真剣な顔になった。
「雪と光のコトだ」
あぁ、それね・・・ってかあの後、2人どうなったんだろう?
「なんか最後に喧嘩始めたから置いてきたよ」
「そうか。まぁ実力があれば結構なんだが」
空は興味をなくしたように机に向き合い、資料をパソコンに打ち込んでいく。
「さて、私も始めようかね。なにすればいい?」
暇そうにしていた桃に声を掛けると、代わりに苺が答えてくれた。
「ん-、そうだね・・・仕事については間に合ってるし、トーナメントの準備してくれる?」
「オッケ」
任せてーとウインクすると、雨がふふふと笑ったのが視界の端に映る。
私は元々、女子だけど可愛いより格好いいと思われたかった。
チュリには可愛い担当の雨がいるし、格好いい担当も一応いるけど。
やっぱり総長は格好いいほうがいいよねってコトで。
でも・・・私は格好よくなんてなれなかった。
可愛くもなれなかったけど、どちらかと言うと可愛いのほうが合ってると気づいたから。
だから、ただただ純粋無垢な可愛さじゃなくて、ホラーな可愛さを磨くコトにした。
私は人に関心がなかったし、感情もあまり動かない。
私がなにかに対してなにか思うのは・・・。
喧嘩を挑んであっけなく敗北した奴は滑稽だなぁって。
裏で嫌がらせをして、表では可愛い子ぶってる奴は醜いなぁって。
喧嘩して半殺し・・・いや、三分の二殺ししたときは気持ちいなぁって。
登場だけで怯えてくれるのは爽快だなぁって。
人としてちょっとだけ最低なコトしか考えてなかった。
今もそうだし、前も言った通り幹部がどうなろうと寂しいとかはない。
強い奴がいればいいんだから。
逆に言えば、弱い奴が幹部になったら追い出してやる。
物理的にも、精神的にもボロボロなゴミにして。
だからこそ怖さが出るんだよなーと思いながら今まで総長をやっていた。
いや・・・やっていたじゃなくてやっているだけど。
少しは怒ったり悲しんだりするべきだよなぁ・・・。
でも急に怒り狂えとか泣けとか無理だし、言わずとも。
「・・・ん」
私は前、敵対していた族に『ロボット女』と呼ばれていた。
まあ、その族はもう潰したけど。
くわしく言うと、そのあだ名にキレた空たちが。
そんな怒ったりできる幹部たちの中に、なにも感じない総長がいる。
喧嘩するときにやっぱり怖いとか残酷だとかは思わない。
今もそうだし、だから容赦なく三分の二殺しにできる。
総長としてはまぁまぁいいだろうし、私も幹部も下の子たちもニコニコ笑って『総長らしくていいです』と言ってくれた。
終始ニコニコするのは、苦痛ではない。
小さいころから自分の評価を上げるために口角もあげてたから。
「・・・ん、はい」
トーナメント表とくじが作り終わったので、私は雨にそれを渡す。
「どうしたの~?・・・ってもう終わったの?さすが月~!」
「じゃあもう準備OKだな。月は癒し担当として存在していてくれ」
「癒し・・・?雨じゃないの?」
「・・・月って変なトコで無自覚だよね~・・・」
空のセリフに首をかしげると、雨が呆れたような視線を送ってきた。
「とにかく、生徒会室に居てくれるだけでいいってコト」
苺も参戦して、私にそう言う。
なるほど・・・?なのか?
私が癒しになるかどうかだったらNOだと思う。
癒しというかというと・・・どちらかというと、威圧。
我ながら自分こわい・・・とはならないけど、一般的には怖いはずだ。
「月は今日も可愛い」
ぼそりと、でもはっきりと言った桃に思わず苦笑した。
「・・・ホント」
私が本気にしてないと伝わったのか、桃は不服そうに付け足す。
「そんなにご機嫌取りしなくてもいいんだよ」
あっははと笑って見せると、桃含めみんながこりゃ駄目だ・・・と頭を抱えてしまった。