生徒会のお姫様は無自覚に魅了する~男子校に入学しました~

さて、今日は待ちに待ったトーナメントの日で御座います!
いやぁ、楽しみですねぇ!!
「機嫌いいね、月」
苺に声を掛けられ、私はご機嫌度を隠すコトなく大きく頷いた。
「だって幹部が代わるんだよ?楽しみだよね」
「ん-・・・なんかそんなに満面の笑みで言われるとなぁ・・・」
「寂しいよね~・・・」
会話に雨も加わり、それもそうか?と苦笑した。
学校が終わり、私たちはトーナメント会場に向かっている。
会場は使われなくなった第5体育館。
先生にお願いしたら鍵を貸してくれたから貸し切りだ。
どんなに暴れても問題ないねっ!
「月の総長は確定か?やっぱり副総長は俺だよな」
「・・・馬鹿?」
空の自信満々な様子に桃がぼそっと言った。
「副総長は俺って決まってる。特別枠・・・空は幹部落ち」
「そんなわけないだろう。お前は強いが、俺の方が強い」
口論(ケンカ)が始まり、私は体育館に入った。
「お疲れー」
もうすでにやってきている下の子たちに挨拶し、総長席に座る。
「じゃあ早速始めてくよー。くじは事前に引いてるねー?」
全員が頷いたのを見て、私はトーナメント表を開いた。
「はい、近藤VS齋藤ー」
名前を呼ばれた2人は体育館の真ん中に立ち、お互い睨み合う。
「長引くと大変だから膝をついた人の負けー」
それじゃよーいスタート!と声を掛ける。
「おー!近藤行けー!」
「斎藤ー!絶対勝てよー!」
あぁ、楽しい。
自分が戦うのは好きだし、人が戦っているのを見るのも好き。
「勝者齋藤ー!じゃあ次は半場と小嶺ー!」
楽しいじゃないか・・・全力で私を楽しませておくれよ、ねぇ?
                                                                   
「いやぁ、まさか・・・なぁ?前を全く同じ結果だとは・・・」
次期幹部候補も幹部候補も、全員変わらず。
昊優も光も雪も頑張ったけど結果は伸びず・・・って感じかな。
「あとは幹部だけだね」
                                                                   
まずは苺と桃。
「・・・はぁ、僕の負けか」
見事に桃が勝ち。
                                                               
次に雨と桃。
「やった~僕の勝ち~」
雨は桃に勝ち。
                                                                 
そして空と雨。
「雨は強いが、俺の方が強いな」
空が勝ったので、空は副総長以上が確定。
                                                                
最後は私と空だ。
「・・・ふふ、空もよかったよぉ」
まぁ、私が勝つのは当たり前だ。
                                                                    
にしても私が総長、空が副総長、雨が№3、桃が№4、苺が№5。
これは前回・・・というか昨日まで変わらなかった結果。
「やっぱり全員強くなってるね。ただレベルが上がっただけで差は埋まらなかったか」
しょうがない、みんな強いんだもん。
「楽しいトーナメントも終わりかぁ・・・じゃあなにも変わるコトはないってわけで、解散!」
『了!』
みんないい返事で、各自出口から自分の寮やら教室雨あら校内アジトへやら帰って行った。
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