生徒会のお姫様は無自覚に魅了する~男子校に入学しました~
「よかったのか、それで」
「なにが?」
「今の幹部に不満でもあるんじゃないのか?」
空の言葉に、思わず笑みを零す。
「やだなぁ、不満なんてないよ。ただ・・・ずっとトーナメントもせずに幹部も変えなかったら、強くなった自信がある子たちが嫌になっちゃうかなーって」
これは本音だ。
まぁ、私はどんな裏工作を使ってでも空を幹部内に留まらせたけど・・・っえ?
なんで私は空を留まらせようと・・・?
みんな、誰が幹部でもいいと思ってたはずなのに・・・。
「──ん、月?」
心配そうな空の声にハッとし、名前を呼ばれ続けていたコトに気づく。
「なんでもなぁい。さっ、帰ろ」
「あぁ・・・ほかの奴らはショックで意識失ってるっぽいしな・・・」
どこか呆れたような視線をみんなに向け、空は私の腕を掴んで歩き出した。
痛くないけど、振りほどけない力の入れ加減。
いや、振りほどくつもりないからもうちょっと緩くしてくれてもいいんだけど・・・。
「月、やっぱりなんかおかしいぞ?大丈夫か?」
「いや、空と戦うのが楽しすぎて夢中になりすぎたかな・・・」
「っ、またさらっと可愛いコトを・・・」
顔を真っ赤にした空は、私の腕を握っている手とは反対の手の甲で口元を隠した。
「どした?」
いつもと様子が違う空に首をかしげる。
「なんでもない・・・部屋に戻ろう」
空はさっと冷静さを取り戻し、また歩きだした。
「ふふ・・・空、かっこよかったよ」
私でも勝てるか不安になるほどの、雨との戦いぶり。
「っそういうこと男子に言うなよ」
空は拗ねたようにそっぽを向き、私の腕を掴んでいた手を解く。
歩きやすくなったはずなのに、なんか寂しいな・・・なんて。
空のぬくもりが心地よかったんだろうか。
「む、月?!」
少し早歩きで空に追いつき、その腕に自分の腕を絡めた。
「もう、拗ねないでよ」
空を嗜めるように呟いて、ぎゅっと空にくっつく。
「雨たちに見られたら終わるな・・・」
空は空で何かを呟き、私の髪を撫でた。
「ん・・・」
気持ちよくて猫のように喉を鳴らす。
「はは、猫っぽいな、月は。気まぐれに甘えたりどっか行ったり・・・」
「失礼だね?」
自分でも猫みたいって思ったけど。
「普段は可愛い猫なのに・・・」
空がちょっと嬉しそうに私を見て笑う。
「仲間の為なら狼にでもなって敵に牙を剝く」
狼、ね・・・。
「可愛いは流されたな・・・」
空は残念そうになにか言い、すぐに笑顔に戻った。
やっぱり空の傍で空の笑顔を見るのが好きだな・・・。
skyっていう名前にぴったりの、大きな心と懐。
そんなところもあっていつも副総長に指名してるんだけどね・・・。
「なにが?」
「今の幹部に不満でもあるんじゃないのか?」
空の言葉に、思わず笑みを零す。
「やだなぁ、不満なんてないよ。ただ・・・ずっとトーナメントもせずに幹部も変えなかったら、強くなった自信がある子たちが嫌になっちゃうかなーって」
これは本音だ。
まぁ、私はどんな裏工作を使ってでも空を幹部内に留まらせたけど・・・っえ?
なんで私は空を留まらせようと・・・?
みんな、誰が幹部でもいいと思ってたはずなのに・・・。
「──ん、月?」
心配そうな空の声にハッとし、名前を呼ばれ続けていたコトに気づく。
「なんでもなぁい。さっ、帰ろ」
「あぁ・・・ほかの奴らはショックで意識失ってるっぽいしな・・・」
どこか呆れたような視線をみんなに向け、空は私の腕を掴んで歩き出した。
痛くないけど、振りほどけない力の入れ加減。
いや、振りほどくつもりないからもうちょっと緩くしてくれてもいいんだけど・・・。
「月、やっぱりなんかおかしいぞ?大丈夫か?」
「いや、空と戦うのが楽しすぎて夢中になりすぎたかな・・・」
「っ、またさらっと可愛いコトを・・・」
顔を真っ赤にした空は、私の腕を握っている手とは反対の手の甲で口元を隠した。
「どした?」
いつもと様子が違う空に首をかしげる。
「なんでもない・・・部屋に戻ろう」
空はさっと冷静さを取り戻し、また歩きだした。
「ふふ・・・空、かっこよかったよ」
私でも勝てるか不安になるほどの、雨との戦いぶり。
「っそういうこと男子に言うなよ」
空は拗ねたようにそっぽを向き、私の腕を掴んでいた手を解く。
歩きやすくなったはずなのに、なんか寂しいな・・・なんて。
空のぬくもりが心地よかったんだろうか。
「む、月?!」
少し早歩きで空に追いつき、その腕に自分の腕を絡めた。
「もう、拗ねないでよ」
空を嗜めるように呟いて、ぎゅっと空にくっつく。
「雨たちに見られたら終わるな・・・」
空は空で何かを呟き、私の髪を撫でた。
「ん・・・」
気持ちよくて猫のように喉を鳴らす。
「はは、猫っぽいな、月は。気まぐれに甘えたりどっか行ったり・・・」
「失礼だね?」
自分でも猫みたいって思ったけど。
「普段は可愛い猫なのに・・・」
空がちょっと嬉しそうに私を見て笑う。
「仲間の為なら狼にでもなって敵に牙を剝く」
狼、ね・・・。
「可愛いは流されたな・・・」
空は残念そうになにか言い、すぐに笑顔に戻った。
やっぱり空の傍で空の笑顔を見るのが好きだな・・・。
skyっていう名前にぴったりの、大きな心と懐。
そんなところもあっていつも副総長に指名してるんだけどね・・・。