爽やかなイケメンくんに翻弄されています。

　 勉強を教えて欲しいと頼み込んできたのは、サッカー部のエースでクラスの中心人物、みんなの人気者。

　先日、席替えをして隣の席になった、一ノ瀬 湊くんだった。

　
　そんな一ノ瀬くんに突然、声を掛けられたことに驚いた。

　席替えをして一週間が経ったけど、今まで話しかけられたことが無かったから。

　もちろん、わたしから話しかけたこともない。


　これが初めての会話だ。


　初めての会話が勉強を教えて欲しいで戸惑ってしまう。

　態度には出さないが、内心オロオロ。

　だって、引っ込み思案で口下手なわたしが男の子と話せるわけが無いから。

　それに勉強を教えるのだって下手だ。

　まぁ、実際誰かに教えたことはないんだけど……。


　一ノ瀬くんには申し訳ないないけど断ろう。

　一年生の時に仲良くなった唯一の友達には、イケメンに教えるチャンスだよ！断っちゃうなんてもったいない！！とか言われそうだが、わたしには無理だ。