爽やかなイケメンくんに翻弄されています。
「星宮さん、古典得意って聞いたし。」


 その事実にびっくりする。


 古典が得意って言ったことがないのに、なんで知っているの?


 友達に聞いたとか……?

 でも、クラスにわたしの友達はいないし……。


 一瞬、金色の髪を緩く巻いた唯一の友達の姿が思い浮かんだ。

 だけど、友達から一ノ瀬くんと親しいという話は聞いたことがない。


「わたしが古典が得意だって誰から聞いたの……?」

 恐る恐る聞いてみる。


「先生に。」


「せ、先生!?」


 全く予想をしてなかった人物の登場に驚きを隠せず、聞き返す。


「実は、友達にも頼んだけど古典は無理って言われちゃったんだ。だから先生に教えてもらおうと思ったけど、忙しいって言われちゃってさ。それを見かねた先生が、星宮さんは古典が得意だって言ってたんだ。」


 なんでそんな余計なことを言っちゃったの……。先生……。

 先生がそんなこと言わなければ、こんなことになっていなかったのに……。


「だから星宮さん!お願い!!」


 もう一度、一ノ瀬くんは頭を下げた。


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