爽やかなイケメンくんに翻弄されています。
先程よりも頭を下げられ、周りからの視線も嫌という程突き刺さっている。
「わ、わかった……!わかったから、顔を上げて!」
いたたまれなくなって、頭を上げるようにお願いする。
すると一ノ瀬くんがガバッと顔を上げた。
「それはいいってことだよな!」
興奮気味に一ノ瀬くんが顔をぐいっと寄せてくる。
あまりの近さに驚く。
きょ、距離が近いよぉ〜。
男の子とこんなに距離が近くなるのも初めてで、顔が徐々に赤くなるのを感じた。
恥ずかしいし、このままでは変な誤解をされてしまうかもしれないと一歩下がると肩が窓にぶつかる。
わたしの席が窓側のことをすっかりと忘れていた。
少し離れたところで、目を逸らしながら頷く。
「う、うん。」
ここまでお願いされて、しかも、先生にまで名前を出された以上、断ることなんて出来ないし。
という言葉は飲み込む。