きみと溶ける、深海まで
陽が落ちるまで私達はテーマパークを思い切り楽しんだ。

せっかくだし、思い出だからとグミちゃんに背中を押されて、龍の形を模したゴンドラが上下左右に大きく揺れるアトラクションに乗った。

今日は私の三半規管もえらかった。
悪酔いしなかったし、慣れない浮遊感でお腹の底から大笑いした。

アトラクションを降車したら巫女ちゃんに「やるじゃんっ!」って背中を叩かれた。

帰宅のリムジンバス車内。

双子以外の全員がバスを手配してくれたことを、神様のように崇め称え感謝した。

二日間、思うがままにハシャぎ倒した体はさすがにグッタリしていた。
座席が確保できるかどうか分からない電車で帰るのを想像するとゾッとした。

元々、行きの特急列車の指定席は埋まっていて、奇跡的に自由席の座席が確保できたってだけだったから。
< 49 / 86 >

この作品をシェア

pagetop