喫茶 向日葵
“喫茶 向日葵”
若菜:『只今、 帰りました。』 店長:『小坂田サンの奥さん、 どうだった?』 若菜:『それが…』 私は、エプロンを付けて カウンターに入った。 店長:『で、どうだったんだ。』 若菜:『小坂田サンの奥さん、 末期癌だそうです。』 店長:『末期癌…』 若菜:『はいっ、 もう長くないそうです。』 店長:『…』 若菜:『それでね、店長にお願いなんだけど、 小坂田サンに、 今日みたいに、毎日、出前しちゃ駄目かな?私には、 これぐらいしか出来ないから…』 店長:『駄目なんて言わないよ。 持ってってやれ。』 若菜:『店長、有難う。』