10年後も、君がいた軌跡は僕が憶えているから。
夢をみた。
わたしは、5歳。公園で1人で遊んでいるとある男の子がわたしに声をかけてきた。
「僕、もー、ーま、ーひと。君は?」
途切れ途切れに聞こえてくるその名前。
「あ、さくらい、ゆいな」
「ゆいなちゃん!一緒に遊ぼう!」
「う、うん!」
「ブランコで、どっちが高くできるかきょうそうね!」
「うん!」
よーい、スタート!と言って始まったゲーム。
さっきあったばかりの男の子はいつもわたしに優しくしてくれた。
「まーくん」
「僕のこと…?」
「うん!」
「まーくん!」
「なぁに?ゆいなちゃん?」
フフフッと笑って勝ったー!とわたしは叫ぶ。
まーくんは、ハハハハッと笑ってピョンと地面に降りる。
「負けたー!」
2人の視線が合い、笑い合う。
この時、わたしはまーくんの事が好きだった。
初恋だった。
でも、前までずっと忘れていた。
まーくんは、今どうしているだろうか…。
場面が変わった。
「ごめんね、ゆいなちゃん…」
「どうしたの?」
このときのわたしの声は、舌足らずで甘い声だ。
「僕、お引っ越ししちゃうんだ…」
「え…?まーくんともう遊べないの…?」
「遠いの。隣の県なんだって…」
「まーくん…!行かないで!」
「ごめんね…」
数日後、まーくんは弟を連れてきた。
双子の弟らしい。でも、顔立ちはあまりに似ていない。
「雅人って言うんだよ!」
「雅人くん!よろしくね!」
あぁ、ここで出逢ったのか。
雅人くんとは、まーくんのおかげで出会ったんだ。
「ゆいなちゃん、僕忘れないから!」
「わたしも!まーくんの事、忘れないから!」
「こうこうで再会しようね!僕は、待っているから!」
こうして、まーくんたちは引っ越していった。
わたしは、何かに導かれるように今の高校に入学した。
覚えてなくとも心は覚えていたんだ。
まーくんは、わたしの高校には入学してこなかった。
わたしの夢は、そこで途切れた。
「まーくん…」
少しだけ、顔がほころぶ。
最後の時が迎える日まで、まーくんを探してみる。
そう決心した。
わたしは、5歳。公園で1人で遊んでいるとある男の子がわたしに声をかけてきた。
「僕、もー、ーま、ーひと。君は?」
途切れ途切れに聞こえてくるその名前。
「あ、さくらい、ゆいな」
「ゆいなちゃん!一緒に遊ぼう!」
「う、うん!」
「ブランコで、どっちが高くできるかきょうそうね!」
「うん!」
よーい、スタート!と言って始まったゲーム。
さっきあったばかりの男の子はいつもわたしに優しくしてくれた。
「まーくん」
「僕のこと…?」
「うん!」
「まーくん!」
「なぁに?ゆいなちゃん?」
フフフッと笑って勝ったー!とわたしは叫ぶ。
まーくんは、ハハハハッと笑ってピョンと地面に降りる。
「負けたー!」
2人の視線が合い、笑い合う。
この時、わたしはまーくんの事が好きだった。
初恋だった。
でも、前までずっと忘れていた。
まーくんは、今どうしているだろうか…。
場面が変わった。
「ごめんね、ゆいなちゃん…」
「どうしたの?」
このときのわたしの声は、舌足らずで甘い声だ。
「僕、お引っ越ししちゃうんだ…」
「え…?まーくんともう遊べないの…?」
「遠いの。隣の県なんだって…」
「まーくん…!行かないで!」
「ごめんね…」
数日後、まーくんは弟を連れてきた。
双子の弟らしい。でも、顔立ちはあまりに似ていない。
「雅人って言うんだよ!」
「雅人くん!よろしくね!」
あぁ、ここで出逢ったのか。
雅人くんとは、まーくんのおかげで出会ったんだ。
「ゆいなちゃん、僕忘れないから!」
「わたしも!まーくんの事、忘れないから!」
「こうこうで再会しようね!僕は、待っているから!」
こうして、まーくんたちは引っ越していった。
わたしは、何かに導かれるように今の高校に入学した。
覚えてなくとも心は覚えていたんだ。
まーくんは、わたしの高校には入学してこなかった。
わたしの夢は、そこで途切れた。
「まーくん…」
少しだけ、顔がほころぶ。
最後の時が迎える日まで、まーくんを探してみる。
そう決心した。