10年後も、君がいた軌跡は僕が憶えているから。
「ゆーいな!」
帰っている途中、美紀に声をかけられた。
「美紀!?どうしたの?」
「たまには、わたしたちと遊んでよね!」
そう言って、頬を膨らませている美紀を見ていると陰からそうそうと頷きながら出てくる瑠衣菜の姿を見た。
「じゃあ、明々後日遊ぼうよ!」
わたしの提案に2人は、深くうなづいてくれた。
雅人くんと海へ行った日から2日後のこと。唯香の法要が執り行われ、唯香の骨はお墓に納骨された。
みんな、もう泣いていなかったけれど悔やんでいるという顔は滲み出ていた。
「ゆいかぁ…」
いつの間にか、唯香の友達も来てくれていた。
「真奈、ちゃん?」
唯香の友達の真奈ちゃん。
守山、真奈ちゃん。
「唯菜さん…」
そこで、わたしは気付いた。
雅人くんと同じ、名字だ…。
真奈ちゃんは、今はアメリカに住んでいるらしい。
唯香の納骨のためにわざわざ帰国したらしい。
「真奈ちゃんって、雅人くんの妹さん…?」
「え…?お兄ちゃんのこと、何でっ…?」
真奈ちゃんは、雅人くんの妹だということが判明した。
そこから、わたしは雅人くんとの関係性について話した。
最初こそ驚いていたものの、少し微笑んだ。
「じゃあ、真人くんのこと知っているんだ…」
「まひと?誰ですか?それ…」
ーダレデスカ?ー
その言葉が日本語に聞こえなくなった。
真人くんのこと、知らないー?
どういう事、?
気になって聞いてみると、答えてくれた。
「あの、あたしは…。生まれて間もなく、アメリカに連れて行かれました。両親とも会えなかった…。ただ、兄がいることは知っていて…。でも、あたしが知っているのは、雅人お兄ちゃんだけで…。寂しくて…。そんな時、唯香は、たまたま帰国したあたしが一人でいることに気がついて、仲良くなったんです…。まさか、唯香が死んでしまうことなんて…。そんなの、聞いてなかった…。それに、まひとという人もあたしの兄だったんですね…」
「真奈ちゃん。あのね、真人くんはもう死んでいるんだよ…」
「何で…?みんな、あたしの周りだけ死ぬ人が多いんだろう…」
真奈ちゃんは、嗚咽を漏らしながら話してくれた。
「真奈ちゃん。話してくれて、ありがとう…」
真奈ちゃんが顔を上げると、その顔は涙でくしゃくしゃになっていた。
そして、わたしもまた、涙した。
その後、真奈ちゃんが雅人くんに会ってみたいということで雅人くんのお家を訪ねることになった。
「ま、な、?」
出迎えてくれたのは、雅人くんではなかった。ただ、お母さんが出迎えてくれた。
「おかぁ、さん…」
「真奈っ!」
そう言って、お母さんは抱き締めた。
近くにいたのか、雅人くんが姿を現すととても驚いた顔をした。
「真奈なのか…?それに、唯菜?どうして?」
「えっと…、真奈ちゃんが雅人くんに会いたいらしくて…」
言って気が付いた。
言って大丈夫だったのかなと。
「おにい、ちゃん、だよね…?」
「ああ!真奈なんだ!」
そう言うと雅人くんは、駆け寄った。
その時、突然まばゆい光が目の前に現れた。
驚いていると、
"ある一人の男の子"の姿が現れた。
その子は、成長していたけど、面影はあのときのまま。
3人は、気づいていないみたい。わたしにしか、見えていないみたい。
そう、
真人くん。きみに会えた。
3人に気付かれないように、わたしは言う。
「真人くん。
ありがとう」
そう言うと、真人くんは昔の、わたしに見せてくれたあの笑顔を見せてどういたしまして、と言った。
わたしが微笑むと、わたしを抱き締め最後に3人、いや4人で抱きしめ合って彼は消えていった。
帰っている途中、美紀に声をかけられた。
「美紀!?どうしたの?」
「たまには、わたしたちと遊んでよね!」
そう言って、頬を膨らませている美紀を見ていると陰からそうそうと頷きながら出てくる瑠衣菜の姿を見た。
「じゃあ、明々後日遊ぼうよ!」
わたしの提案に2人は、深くうなづいてくれた。
雅人くんと海へ行った日から2日後のこと。唯香の法要が執り行われ、唯香の骨はお墓に納骨された。
みんな、もう泣いていなかったけれど悔やんでいるという顔は滲み出ていた。
「ゆいかぁ…」
いつの間にか、唯香の友達も来てくれていた。
「真奈、ちゃん?」
唯香の友達の真奈ちゃん。
守山、真奈ちゃん。
「唯菜さん…」
そこで、わたしは気付いた。
雅人くんと同じ、名字だ…。
真奈ちゃんは、今はアメリカに住んでいるらしい。
唯香の納骨のためにわざわざ帰国したらしい。
「真奈ちゃんって、雅人くんの妹さん…?」
「え…?お兄ちゃんのこと、何でっ…?」
真奈ちゃんは、雅人くんの妹だということが判明した。
そこから、わたしは雅人くんとの関係性について話した。
最初こそ驚いていたものの、少し微笑んだ。
「じゃあ、真人くんのこと知っているんだ…」
「まひと?誰ですか?それ…」
ーダレデスカ?ー
その言葉が日本語に聞こえなくなった。
真人くんのこと、知らないー?
どういう事、?
気になって聞いてみると、答えてくれた。
「あの、あたしは…。生まれて間もなく、アメリカに連れて行かれました。両親とも会えなかった…。ただ、兄がいることは知っていて…。でも、あたしが知っているのは、雅人お兄ちゃんだけで…。寂しくて…。そんな時、唯香は、たまたま帰国したあたしが一人でいることに気がついて、仲良くなったんです…。まさか、唯香が死んでしまうことなんて…。そんなの、聞いてなかった…。それに、まひとという人もあたしの兄だったんですね…」
「真奈ちゃん。あのね、真人くんはもう死んでいるんだよ…」
「何で…?みんな、あたしの周りだけ死ぬ人が多いんだろう…」
真奈ちゃんは、嗚咽を漏らしながら話してくれた。
「真奈ちゃん。話してくれて、ありがとう…」
真奈ちゃんが顔を上げると、その顔は涙でくしゃくしゃになっていた。
そして、わたしもまた、涙した。
その後、真奈ちゃんが雅人くんに会ってみたいということで雅人くんのお家を訪ねることになった。
「ま、な、?」
出迎えてくれたのは、雅人くんではなかった。ただ、お母さんが出迎えてくれた。
「おかぁ、さん…」
「真奈っ!」
そう言って、お母さんは抱き締めた。
近くにいたのか、雅人くんが姿を現すととても驚いた顔をした。
「真奈なのか…?それに、唯菜?どうして?」
「えっと…、真奈ちゃんが雅人くんに会いたいらしくて…」
言って気が付いた。
言って大丈夫だったのかなと。
「おにい、ちゃん、だよね…?」
「ああ!真奈なんだ!」
そう言うと雅人くんは、駆け寄った。
その時、突然まばゆい光が目の前に現れた。
驚いていると、
"ある一人の男の子"の姿が現れた。
その子は、成長していたけど、面影はあのときのまま。
3人は、気づいていないみたい。わたしにしか、見えていないみたい。
そう、
真人くん。きみに会えた。
3人に気付かれないように、わたしは言う。
「真人くん。
ありがとう」
そう言うと、真人くんは昔の、わたしに見せてくれたあの笑顔を見せてどういたしまして、と言った。
わたしが微笑むと、わたしを抱き締め最後に3人、いや4人で抱きしめ合って彼は消えていった。