10年後も、君がいた軌跡は僕が憶えているから。

10年後

唯菜が亡くなって、10年の月日が経った。
この日は、唯菜がかかった病気を治す治療薬が開発という発表会だった。
そう、俺が全て開発した。
発表の時が、やってきて俺は壇上に上がる。
「私が、この薬を開発したきっかけは高校生のときに出逢った人でした。その人は、透季病を患っていました。彼女は、強くて誰よりも優しい人で私は瞬く間に恋をしました。でも、彼女は死んでしまいました。そんな彼女との出来事がきっかけでこの薬が開発しました。彼女には、感謝でいっぱいです。ありがとうございました」
そう言って、お辞儀をすると拍手喝采が起こった。
俺は、その後控え室に行くと一通の手紙が机の上にあった。
誰だろう？と宛名を見ると驚いた。
それは、１０年前亡くなった唯菜からだった。
まだ、プレゼントが遺っていたんだ。
開くと、懐かしい字が書かれていた。
それは、唯菜が最後にくれたラブレターだった。
俺は、そっとその手紙を開いた。