いっくんのお気に入り♡
とても機嫌が良くなった、壱茶。

それからは、いつも通り青神の展示品などを見学出来ていた。

最後、等身大の青神4人と共に撮れる撮影コーナーがあり、沢山のファン達が順番に撮るため列を作っていた。

「わぁ…」
(ここの写真、撮りたい…!)

「撮りたい?」

「え…あ…//////」

「いいよ。
さっきのせいちゃんの言葉嬉しかったから、気分良いし!」

「あ、あの…!
私が撮りたいのは―――――」


「………」
(え……何、これ…
僕、何やらされてんの?)

勇気を振り絞って言った、聖愛の要望は………

青神の4人の等身大パネル写真。
向かって右からリョウ、タク、カイ、ヒデの順に横に並んでいる。
だいたい4人はいつも、この位置でテレビや雑誌など写っている。

そして、カイとタクの間に一人分のスペースがあり、そこに立って写真が撮れるというコーナー。

聖愛はまさにその位置に、壱茶を立たせて撮りたいと言い出したのだ。

とにかく超絶イケメンの壱茶。
4人と並んでも、全く引けを取らない。

“青神って、5人グループだった?”と思うくらいに、様になっている。

「……/////」
(カッコいい…//////)

「あの人、ヤバくない?」
「めっちゃカッコいい!」
「青神に合ってる!」
「私、写真撮りたい!(笑)」
「私もー(笑)」


「――――ありがとう、いっくん!」

「う、うん…(笑)
まぁ、せいちゃんの頼みだし」
満面の笑みに、壱茶は何も言えなくなる。

「見て!
いっくんも入れて、青神みたいだよ!」

「………そうだね…!」

「………」
(あ、興味ないって笑顔だ!(笑))

聖愛は苦笑いをして、壱茶を見上げた。
「いっくん、何かない?」

「え?」

「私のお願い聞いてくれたから、私も何かしたい!」

「え?いいの?」

「うん!
あ、でも、私に出来ることならだよ?(笑)」

「フフ…
じゃあ…考えておくよ!
とりあえず、帰ろ?」

「あ、青神の写真集とステッカーだけ買って帰っていいかな?
アツコちゃんに、買って帰りたくて!
写真集は、ここ限定だから!
お礼にプレゼントしたくて…!」

「そうだね!」

写真集とステッカーを3つ購入した、聖愛。

写真集とステッカーの一つは、アツコへ。
あとの2つは、聖愛と壱茶の分だ。
(メンバーの写真がランダムで入ってるから)

「………あ、カイだ…!」
(さすがに、狙ったのが来ないよね…(笑))

「………」
(あ、よりによってリョウだ)
壱茶の方のステッカーは、リョウだった。
チラリと聖愛を見ると、気づいてないようだ。

壱茶は、それをすかさずポケットに隠した。

「いっくんは誰だった?」

「ん?僕も“カイ”だったよ」

「そっか!(笑)」

「残念だったね!(笑)」

「うん(笑)
でも、私にはいっくんがいるから…!」

そう言って笑う聖愛を見ながら、壱茶はリョウのステッカーを隠したことを少しだけ後悔していた。

(僕って、こんな心狭かったんだ……(笑))

そしてそんな自分に、苦笑いをしていた。
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