いっくんのお気に入り♡
「―――――いっくん!
どうしたの?」
(もしかして、やり過ぎた!?)

「………」
無言で聖愛の手を引き、部屋に戻って来る。

そして、聖愛を抱き締めた壱茶。
「え?いっくん?」

「ごめんね、さっきの…ヤバかった…//////」

「え?え?」

「あんなエロい事されたら、理性が保てないよ?」
そう言って、聖愛の口唇をなぞった。

「ご、ごめんね」

「ううん。
とりあえず、キス責めね?」

「え――――」

聖愛は、壱茶が満足するまでキスをされたのだった。



そして、大浴場に向かう。

「温泉、楽しみだね!」
「うん!」  
巾着をぶら下げ、手を繋いでゆっくり歩く。

男湯と女湯の前に着き……
「せいちゃん、ゆっくり入ってきていいからね!
僕もゆっくり入るから!」
「わかった!」

小さく手を振り、別れた。

女湯の中は結構人がいて、賑やかだ。
頭や身体を洗って、大浴場に浸かる。

(んー!気持ちい〜!!)
露天風呂があり、聖愛は外に出た。

ちょうど夕日が沈みかけていて、とても綺麗だ。
空を見上げて、考えることは“壱茶のこと”

(それにしても…さっきのキス責め、す、凄かった…!//////)


『―――――あれは、反則だよ?
あんなエロい事、誰に教わったの?
元彼とかかな?
そんなこと考えたら、妬けちゃうなぁー
もっと、もっとしちゃおっと!』

興奮と嫉妬が混じったキス責め。
聖愛はそれを思い出し、顔を赤くしていた。


「………なんか、のぼせそう…」 
聖愛は風呂を上がることした。

「でも、良いお湯だったなぁー」
浴衣に着替えて、女湯を出る。

まだ壱茶は上がっていないようだ。

(良かった!
待たせてなくて!)

自分が待つのはいくらでも我慢できるが、他人を待たせるのはどうしても気になる。

聖愛はホッと肩を撫で下ろし、近くのベンチに腰掛けた。

男湯の方をボーッと見ながら、壱茶が出てくるのを待っていた。

しばらくすると、聖愛の隣に酔っ払いの男性が座ってきた。

「あ、お姉ーさん!エレベーター何処だっけ?」

「え?あ…そこの道を真っ直ぐ…」
突然話しかけられ、思わず声が小さくなる。

「あ?聞こえねぇよ…!!何処!?」
男性は、怪訝そうな顔をして聖愛に顔を近づけた。

「え…ちょっ……」
(や、やだ…怖い…!!)

怖くなり、益々声が出なくなっていた。
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