いっくんのお気に入り♡
「どうしてここにいるの!?危ないよ!?
ダメだよ、こんな遅くに出歩いちゃ…!」
聖愛の手を取り、指を絡めた。

「あ、でも、アツコちゃん達もいるし」

「え?あ、ほんとだ!
こんばんわ!」

「今気づいたんかい!」
「フフ…!相変わらずね!(笑)」

「アツコちゃん達と、食事してきたの。
帰り、私一人になるからって、ヒビトくんとフミヤくんが送ってくれてて。
その途中で、ここのシャーベットが美味しいって聞いたから食べようってなって…!」

「そっか。
ん?てことは、男もいたの?食事」

「え?ううん、女子会だよ?」

「そっか、良かった」

「聖愛、紹介して?」
そこに、フミヤが声をかける。

「あ、うん。
いっくん。こちら、高校の時の友達のフミヤくんだよ……!」

「どうも、フミヤです…!」

「“聖愛の旦那の”壱茶です!」

“聖愛の旦那”を強調する。

「………フフ…そんなに警戒しなくても、聖愛を取ったりしないよ?(笑)」

「はい、わかってますよ?」
(僕からせいちゃんを取る?
そんなの、あり得ない!
せいちゃんは“僕だけのことが”好きなんだから…!)

「門川!俺も、紹介して!」

「あ…
せいちゃん、同僚の下園」

「奥さん、こんばんは!
門川と仲良くさせてもらってる、下園です!」

「あ…は、はい!
つ、妻の聖愛です…!」
慌てたように頭を下げた。

「へぇー、君が嫁さんなんだ〜」

「あ…/////
す、すみません…」
(やっぱ、呆れてる…よ、ね?)

下園にマジマジと見られ、恐縮する聖愛。

「下園」

「ん?」

「ごめん、僕達帰っていいかな?」

「は?シャーベットは?」

「いらない。
せいちゃん、帰ろ?」

「え?あ、うん」

「アツコさん達も“僕のせいちゃんを”送ってくれてありがとう!」

微笑み、聖愛の手を引いて去っていった。

「………」
「つか、ほんと…大人げねぇ奴…(笑)」
「ベタ惚れだね(笑)聖愛の旦那」

「スパダリ門川も、嫁さん相手だとカッチョ悪いな……(笑)」

「結婚式ん時も、凄かったもんな(笑)」 
「あー、聖愛のことばっか見つめてたもんね!(笑)
“せいちゃんが綺麗すぎて、目が離せない!”とか言っちゃって!(笑)」

「そうなんだ(笑)」

「あぁ(笑)
司会者にさ。
“新郎の壱茶さんは、打ち合わせの時からずっと聖愛さんばかり見つめてたんですよ〜”って紹介されてた(笑)」

アツコ達は、ずっとクスクス笑っていた。
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