いっくんのお気に入り♡
「――――お疲れ様でした!
フフ…スッキリしましたね!
髪色も少し明るめにしてるので、明るくなったし!」

「はい、ありがとうございました」

手を振り合って、聖愛はプレゼントを買いにデパートに向かった。


『何か、ペアの物とかどうですか?』
イタノに何気なく相談すると、アドバイスをくれたのだ。

壱茶が、財布の新しいのが欲しいと言っていたのを思い出し、財布のペアを買うことにした聖愛。

早速、店に向かう。

壱茶に贈ったピアスの時のように、歩き回ってやっと良さそうな財布を見つけ購入したのだった。

「よし!」
(フフ…喜んでくれるかな?)

聖愛は、満足した気持ちで自宅マンションに帰路についた。


そして一方の壱茶。

研修を受け、今はホテルで休憩をしていた。
下園と二人部屋だ。

「はぁ…せいちゃん、何してるかな…」

考えることは、聖愛のことばかり。

「僕は、年頃の娘か…!!(笑)」
自分にツッコミを入れ、自嘲気味に笑う。

すると、外に出ていた下園が帰ってきた。

「門川〜飲みに行こうぜ〜」

「は?」
怪訝そうに下園を見る。

「研修は終わったし。
夕方から飲むってのも、良いもんだぞ?」

「もう30分もしたら、夕ご飯でしょ?」

「同じとこだからいいんだよ!
少し早くから入れるみたいでさ!
ほら、課長の知り合いの店だから!」

「………」

「門川!な?」
 
このまま部屋にいても、聖愛のことばかり考えて寂しいだけだ。
壱茶はため息をつき、部屋を出た。


「――――ちょっと早いけど、楽しみましょう!
カンパーイ!!」

少し早い時間から飲み始めた、壱茶達。

「……………でさ、それで喧嘩になってー(笑)」
「素直じゃないなぁー」
「そうなんだよ!
素直に“会いたい!”って言ってくれりゃあ、俺も会いに行くのにさぁー!」

「でも、彼女さんからしたら“会おうよ?”って声をかけてほしいのよ!」

「でも、俺も忙しいしぃー」

「それでも!
声をかけてほしいのよ!」

「言わなきゃ、わかんねぇじゃん!
な?門川もそう思うだろ?」

「そうだね」

「素っ気なっ!!(笑)」


壱茶は端の方で酒を飲みながら、下園達の話をぼーっと聞いていた。
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