いっくんのお気に入り♡
そのまま、夜更けまで飲み明かし……

「ちょっと!
下園、ちゃんと歩いてよ!!」

「やーだ!
門川くぅーん!
抱っこ〜」

「は?
気持ち悪いよ……
とにかく、部屋に帰るよ!」

「はーい!!」

下園がかなり酔っ払ってしまい、同室の壱茶が支えて連れて帰っていた。

そして………なんとか部屋に着き、下園を寝かせて風呂に入った壱茶。 

もう時計は、夜中の1時半を表示していた。

「せいちゃんの声を聞きたかったけど……
さすがに寝てるよね…」

“さっき声は聞けたし、明日になれば会える”
そう自分に言い聞かせて、壱茶も布団に入った。

壱茶もかなり酒が入っていたのもあり、そのまま深い眠りについた。


その頃の聖愛はスマホを片手に、壱茶に連絡しようかどうかを悩んでいた。

「もう1時半だし、さすがに寝てるよね……
いや、でも!
飲み会が二次会とかまでもつれ込めば、起きてる可能性も……
よし!メッセージだけ打って、もう少し待ってみよう!」

独り言をブツブツ言い、壱茶に【起きてますか?】とメッセージを送り、ソファに座りスマホを握りしめていた。


そして………

「―――――あれ?これ、下園のスマホじゃね?」
店に、スマホを置き忘れていた下園。

「俺、届けて部屋戻る!」
同僚がそう言うのを、鞠野が止めた。

「あ!だったら私が!
ちょっと、門川さんに用があるし!」

「あ、そう?
じゃあ、頼むね〜」

鞠野は、壱茶と下園の泊まっている部屋に向かった。

少しでも、二人で壱茶と話したいと思ったからだ。
こんな機会、そうそうないから。

部屋のドアを何度かノックすると……

「はーい…」
下園が出てきた。

寝ぼけてる上に、まだ酔いが回っている下園。
相手が誰かも確認せず「どうぞ〜」と鞠野を中に招き入れた。

下園がちょうどトイレに入っていて戻る途中だったのか、トイレから水音がしていた。

鞠野が奥に入ると、壱茶はぐっすり寝ていて、下園も布団に入り寝てしまったのだ。

「……/////」

つい、壱茶に見惚れてしまう。

「綺麗…////// 
………………
写真…撮りたい/////」

しかし、スマホは部屋だ。
「荷物、置いてくるんじゃなかったな…」

そこで鞠野の頭の中に、ある考えがよぎった。
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