いっくんのお気に入り♡
『え……』

『まぁでも、サキミヤくん。
少しずつだけど、笑ってたんだよ?
気づいてた?』

『そ…なの?』

全然、意識してなかったな……

『でも、今ははっきり笑ってたね!
フフ…!
嬉しい!
笑ってくれた〜!』

『うん!そうだね!
不思議なんだけど、聖愛ちゃんといると楽しいって思えるんだ。
こんな気持ち、初めてだから…!』

『フフ…!良かった!』


それから僕は、自然と笑えるようになった。


せいちゃんと、もっと仲良くなりたい……!

この時はまだ、この気持ちが“恋”だとは気づかなかったけど、この時からそんな気持ちが芽生えていた。

そんな矢先。

両親が離婚して、僕はこの街から出て行かざるおえなくなった。

せいちゃんとの別れが辛すぎて、僕はせいちゃんに何も告げずにこの街を去った。

僕達が、中学一年生の時だった――――――


それでもせいちゃんが忘れられなくて、この気持ちが“恋”だと気づいて、僕はまたせいちゃんに会いに行くことを決める。

そのためにダイエットしたり、勉強を頑張ったりして、必死に努力をしてこの街の大学に進学した。

そして………奇跡が起きたんだよ?

僕の入学した大学に、せいちゃんがいたんだ……!

一目見て、すぐにわかった。

笑顔が、あの頃と一つも変わらなかったから!

もう“運命”としか思えなくて、せいちゃんに声をかけて、必死に口説いて、付き合って、結婚出来たんだ……!




せいちゃんを選んだ“決め手”??

それは………せいちゃんの笑顔と、僕に生きていく意味を教えてくれたからだよ?

笑い合うことの幸福感とか、温かさとか、喜びをせいちゃんが教えてくれた。



僕は“あの日から”決めていた。


せいちゃんと生きていきたいって……!












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