いっくんのお気に入り♡
「よし!クリア!!」

「おっ!さすがだね!」
聖愛が隣で、パチパチと拍手をしている。

「ん?
あ!スカート!着てくれたんだね!」
以前、壱茶が買ったスカートに触れる。

「うん//////
恥ずかしいけど、せっかくだから…!」

壱茶に“絶対可愛いよ!”と言ってもらい、買ってもらったミニスカートを着てみた。

「あ!いっくんも、ピアス!
つけてくれたんだ!」

壱茶の左耳を見て微笑んだ、聖愛。
交際していた時から、服やバッグなど沢山買ってもらっている聖愛。

何かお返しがしたくて、壱茶の仕事中に色んなジュエリーショップを回り、購入したピアスだ。

「当たり前でしょ?
フフ…!せいちゃんからのプレゼント〜!
あ!ねぇ、立ってよく見せて?」

「うん//////」
立ち上がり、壱茶の前に立つ。

「……/////
やっぱ、可愛い〜!」

「ありがとう/////」
(ジッと見られてる//////は、恥ずかしいよぉ…/////)

「せいちゃん、絶対!僕から離れちゃダメだからね!」

「え?あ、うん、離れないよ?」

「ん、絶対だよ!」

「うん」
(………??ん?)

そして――――家を出て郵便受けを覗き、アツコが入れてくれていた可愛い封筒の中に“青い神様展”と書かれたチケットを確認しマンションを出た。

「よし、先に結婚式場に行って写真の確認しなきゃ」
「うん…」

去年行った壱茶と聖愛の結婚式と前撮りの写真の最終確認のため、一度結婚式場に向かう。

しかし聖愛は正直、あまり乗り気じゃない。

それは……

「門川様!こんにちは!」

担当の女性が、やけに壱茶に絡むからだ。
結婚式の時もそうだった。
とにかく壱茶に構い、まるで壱茶の専属の付き人のようだった。

自意識過剰だし、この女性も悪い人ではない。
人見知りの聖愛にも、よく気遣ってくれた。

でも……凄く不安になるのだ。

写真の確認も、一度聖愛がOKを伝えたのに“旦那様にも確認してもらいたい”とおされたのだ。

「そちらに座ってお待ちください!」
ソファに並んで座る。

そして担当の女性が、アルバムと写真を数枚持ってくる。
テーブルの上に広げ「旦那様、ご確認をお願いします!」と言った。

「奥さんが良いなら、僕は良いですよ。
せいちゃん、これで良いんだよね?」

「うん。
とっても、素敵に撮ってもらえてるから……!」

「そうですか?
でも、旦那様は気になるところないですか?」

「ないです、大丈夫です」

「……/////
かしこまりました…!」

壱茶の微笑みに、見惚れている担当の女性。

「………」
でも聖愛はその壱茶の微笑みを見て、少しだけ優越感に浸っていた。


例の“不快な笑顔”だったからだ。
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