不登校少女、殻を破る。

ノート、いる?

不登校になったばかりの頃は、学習用タブレットのメッセージアプリを介して、クラスメイトの女の子たち何人もからメッセージが届いた。

『大丈夫?』
『なにかあったの? 相談乗るよ』
『なんでも言って』

みんな優しかった。けど、当時の私にとってそれがわずらわしくもあった。
どう返事すればいいのか分からなくて、返事する気力すらすぐには湧かなくて。
やっとの思いで重い腰をあげて

「大丈夫だよ」

と返事するのが精一杯だった。

全く大丈夫ではなかった。


そのうちメッセージは誰からも来なくなった。
みんなきっと、何を言えばいいのかわからないのだ。

寂しさとほっとする気持ちとが混在して、訳がわからなかった。
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