イケメンモテ男子と期間限定の同居生活
「英さん」



昼食を終えて弁当箱を片づけていると、クラスメイトの長門(ながと)くんが声をかけてきた。



「樋口先生からノート取りに来てって頼まれてたやつだけど、さっき里山先生にも会ってさ。課題の丸つけ終わったって」

「課題って、昨日出したやつ?」

「うん。今日中に取りに来てって言われたから、今のうちに行かない?」



黒ぶち眼鏡が印象的な長門くん。

青倉と瀬那と同じく、中学受験組で、中3の頃からのクラスメイト。今学期の副委員長でもある。



「午後全部移動教室だし、掃除終わってからだとバタバタしそうだからさ」

「そうだね。時間あるうちに行こうか」



席を立ち、2人で職員室へ。

長門くんは現代文のノート、私は古典のプリントを抱えて教室に運ぶ。



「英さんって、水族館に詳しかったよね?」

「まぁ、ちょびっとは。どうしたの?」

「実は……テスト終わった後に、彼女と行こうと思っててさ」
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