イケメンモテ男子と期間限定の同居生活
決死の願いが天に届いたのか、チャイムが鳴った。



「……チッ。調子に乗りやがって」



バツが悪そうに捨て台詞を吐いて去っていった彼。

身体中に張り詰めていた緊張が一気に抜け、へなへなとその場に座り込む。



「英っ、大丈夫?」

「だい、じょうぶ。ごめん、巻き込んで」

「んな謝んなって。どこも、ケガしてない?」

「うん……ありがとう」



か細い声でお礼を言い、再び青倉の手を借りて立ち上がる。

その後、瀬那も駆けつけてきてくれて、3人で教室へと戻ったのだった。







それから2日が過ぎた、木曜日の夜。



【もしもーし、希歩、元気かー?】

「はーい、元気だよー」



ちゃぶ台にスマホを立てかけ、画面に映る父に向かって手を振る。



「足腰はどう?」

【すっかり。手すりなしで階段上れるようになったぞ。重い物はまだちょっと難しいけどな】
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