イケメンモテ男子と期間限定の同居生活
どこも悪くないよ。毎日元気だよ。

強調するように笑顔を作って言葉を並べる。



「そうそう、こないだ文化祭があってね。青倉が学校新聞に載ることになったの」

【新聞に? すごいなぁ。何か、賞でも取ったのか?】

「ううん。コスプレが面白くて話題になって。焼きそばパンの妖精、なんだけど」

【焼きそばパン!? なんだそれ!】



瞳がキラキラと輝いていて、興味津々の様子。

食べ物だけに、食いつきがいい。



「冬休みに入ったら見せるね」

【おー。ちなみに、冬休みはいつから?】

「来月の24日。赤点取った人はクリスマスに補習するって噂だから、みんな今から必死になってる」



言ってすぐ、後悔が押し寄せる。

……しまった。
この流れだと、恐らく次に返ってくるのは……。



【クリスマス……もうそんな時期か。早いなぁ。希歩も頑張ってるのか?】

「まぁ……うん」



饒舌だった口が、途端に静かに。

画面いっぱいに映る父の顔がじわじわと曇っていく。
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