イケメンモテ男子と期間限定の同居生活
安心感に包まれた右手
翌朝。



「希歩っ! おはようっ!」



登校中、横断歩道の近くに瀬那の姿を見つけた。

自転車から降りて小走りで駆け寄る。



「おはよう瀬那。ごめんね、寒い中待たせて」

「平気平気っ。この下Tシャツ2枚着てるし、靴下も長いの履いてきたし。厚手のスパッツも履いてるから大丈夫だよっ」



防寒対策バッチリの彼女と一緒に横断歩道を渡る。


青倉と同じく、瀬那が住んでいる地域も、私の隣の学区。高校までは自転車で20分ほどらしい。

なので、よく登校中に合流することがあった。


けど、こんなふうに待ち合わせするのは、実は今回が初めて。


というのも──。



「……あ」



学校が見えてきたところで、ピタリと足を止めた。



「うわぁー、しつこ……しぶといねぇ」

「瀬那、隠せてないから」
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