イケメンモテ男子と期間限定の同居生活
瀬那の家は、両親とお姉さんと弟さん2人の6人家族。そして共働き家庭。


買い物は休みの日か仕事終わりに行くことが多いらしく、小学生の頃から付き添っていると、お泊まり会の時に聞いたことがあった。


大家族なら量も多いし、食費もかさむ。

仕事終わりのヘトヘト状態で、1人で戦場に行くのは、かなりきついだろう。



「ごめんね……」

「いいって。急用なら仕方ないよ」

「でも……」

「大丈夫! 終わってすぐ学校出れば見つからないと思うから」



スマホを握りしめる瀬那の手を両手でそっと包み込む。


今日は担任から何も聞かされてないし、朝回収したノートも昼休みに長門くんと2人で配り終えた。


残すは6時間目のみ。
何事もなければ、多分、大丈夫。


どうか、スムーズに終わりますように──。




「──起立、礼」



ロングホームルーム終了後。号令をかけて一礼した。



「希歩っ、バイバイっ!」

「ん。バイバイ」
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