イケメンモテ男子と期間限定の同居生活
急ぎ足で教室を出ていった瀬那を見送った。
振っていた手を下ろして時計に目を移す。


はぁ、なんで私、6時間目さえ乗り切ればいけると思ったんだろう。

頼まれ事に囚われすぎて、ホームルームが長引く可能性をすっかり忘れていた。


放課後から10分が経過した時計を見て、小さく溜め息をつく。


さて、どうしようか。


このまま行っても待ち構えているだろうから、時間を置いて出る?

でも、彼の性格的に、来るまで粘りそう。


最終下校まで待とうにも、2時間近くあるしなぁ。

それにその頃は外真っ暗だから逆に危険だよね。先生もほとんど帰ってるだろうし。


……裏門を使う?


でもあの道、人通りが少ないから、あまり使いたくないんだよね……。

近道ではあるけれど、もし避けているのがバレて先回りされたら……それこそおしまいだ。


悩んだ結果、今朝と同じ、人混みに紛れる方法でいくことに。



「委員長」
< 122 / 156 >

この作品をシェア

pagetop