イケメンモテ男子と期間限定の同居生活
「──なぁ、英」



横断歩道の前で立ち止まった青倉が、私の目をじっと見つめて口を開いた。



「何回もうるせーよってうんざりするかもだけど……本当に、ピンチの時はいつでも相談していいからな。朝でも昼でも夜でも」

「……夕方でも?」

「おぅ。英はかけがえのない大切なクラスメイトだから。もっと、頼ってよ」



直球でぶつけられた胸の内。

本来なら感動して涙腺が刺激されるところだけれど……。



「……ありがとう。また何か起きたらすぐ連絡するね」

「ん」



安心したように目を細めて微笑んだ彼と一緒に横断歩道を渡る。


前回の“委員長”に続き、今度は“クラスメイト”という単語が、頭の中で何度もこだまして。

胸を、キュッと強く締めつけてきた。


長門くんに褒められた時は、ポッと胸が温かくなったのに。


私、自分で思ってる以上に、青倉のことが好きなんだな……。
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