イケメンモテ男子と期間限定の同居生活
目を真っ直ぐ見つめて言い放った。

徐々に速まる胸の鼓動を感じながら、おもむろに口を開いた彼の声に耳を傾ける。



「クラスメイトって聞いたけど……何年一緒だったの?」

「4年間。1年生から4年生まで」

「結構長かったんだな。仲は、あんま良くなかった感じ?」

「うん。低学年の頃はほとんど話さなかったんだけど、中学年から関わるようになってね……」



ももちゃんを抱きしめる力を強め、封印した記憶を1つ1つ取り出していく。


今から8年と半年ほど前。
恩師との別れから1ヶ月が経った4月。

学童保育を卒業した私は、しっかりした人間になるぞと意気込んでいた。



「昔、お母さんも仕事してて。なるべく負担を減らしたくて、積極的にお手伝いをするようになったの」



洗濯物の取り込み、お風呂掃除、調理の補助、買い物の付き添いなど。

ちょうどその年から今の家に住み始めたのもあってか、毎日エネルギーに満ちあふれていて。

宿題を終わらせると、真っ先に、『何かすることない?』と尋ねていた。
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