イケメンモテ男子と期間限定の同居生活
『ありがとう。助かったよ』


そう笑顔で感謝されるたび、心が温かくなって。

次第に学校でも、お手伝いを買って出るようになった。


先生と一緒にプリントを運んでは、クラスメイトの相談に乗り……。

時には、校則を破っている人や問題児に注意していた。


おかげで頼りにされることが増えたのだけど……一部の人、特に男子から、『偉そう』『生意気』だと、反感を持たれるようになってしまった。


佐藤くんも、そのうちの1人。
注意すると、毎回不機嫌な顔を浮かべていた。


そんなある日──。



「4年生の夏だったかな。図書室で本読んでたら、雷が落ちて」



昼休みだったので周りに人はいたのだが、停電の恐怖がフラッシュバックし、本棚の前でうずくまって震えていた。

図書室の先生が駆けつけてきてくれたおかげで、なんとか教室に戻ることができたのだけれど……。



「実は、佐藤くんも図書室にいて。私の姿を、見てたらしくてね」



恐らく、みんなに言いふらしたのだろう。

その日以降、いじりという名の嫌がらせが始まった。
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