イケメンモテ男子と期間限定の同居生活
嵐の前の静けさとはこのことなのかと1人納得しながら、張り紙を剥がしていると……。



「あーあ。見つかっちゃったかぁー」



わざとらしく残念そうな声が耳に届いた。



「せっかく綺麗に貼れたのに……なんてことしてくれんの?」

「……どの口が言ってんの?」



張り紙をぐしゃりと握りしめ、掲示板の前にやってきた人物をキッと睨みつける。



「あなたは面白がって撮ったのかもしれないけど……これ、盗撮だよね? 人の個人情報ばら撒いて楽しい?」



許さない。

私のことが気に食わない、嫌い、恨んでいる。
それは百歩譲ったとしても。

なんの関係もない青倉を巻き込むのは間違っている。



「一体なんのつもりでこんなことしたの?」

「なにって、ただ事実を教えてあげただけだよ」

「違うから。たまたま一緒に帰ってただけだから」

「嘘つけ。お前引っ越してねーだろ。英って表札ついた家建ってんの、ちゃんと見たんだからな」
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