イケメンモテ男子と期間限定の同居生活
秘密のキス
それからあっという間に日は流れ、同居最終日の土曜日。



「お昼前には帰ってくるのよ」

「はーい!」

「はい」

「はいよー」



午前10時過ぎ。

秋恵さんに見送られて、梨子ちゃんと青倉と一緒にキュルくんの散歩に出かけた。



「で、今日はどこ行くの?」

「公園で遊びたいから、Aコースで!」

「はいはい、小学校方面ね」



晴れ渡った空の下、先導する梨子ちゃんに続いて住宅街を歩いていく。


1ヶ月以上に及んだ同居生活も、今日で最後。

初日と同じく、昼食を終えた後に母が迎えに来ることになっている。



「毎度毎度、急にごめんな。時間大丈夫?」

「うん。荷物は昨日で全部まとめておいたし。あとは掃除するだけだから平気」



荷造りも初日と同様、前日になってバタバタしないよう、今週に入ってからぼちぼち始めていた。


休日を使って何度か衣替えはしていたんだけど、寒さが増してくるにつれて、荷物の量もかさも増してきて。

なるべく軽くなるようにと、置き勉できるものは学校に置いていったり、膝掛けや毛布などは青倉家に借りたりと工夫し、なんとかコンパクトにまとめ上げた。
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