イケメンモテ男子と期間限定の同居生活
めちゃめちゃ楽しかったなぁ。あと梨子ちゃんがとにかく可愛すぎた。

『隣のクラスに気になる子ができた』って、みかんちゃんで顔隠して打ち明けてきたの、もう破壊力強すぎて雄叫び上げたよね。夜中だったから心の中でだけど。


今朝もみかんちゃんを抱きしめて寝てたの、天使かってくらい可愛くて──。



「ん? どした?」

「いや、なんでも……」



体を起こし、青倉に背を向ける。


あぁもう、どうしてこのタイミングで思い出しちゃうの。

体格も性別も違えば、布団に潜り込んでもないのに……っ。


キュルくんを脳内に思い浮かべて、熱くなった顔から意識を逸らしていると、お腹に腕が回ってきて……。



「なぁ、希歩」

「えっ……な、なに?」

「……呼んでみただけ」



いや、絶対何かある。じゃなきゃわざわざ後ろから抱きついてこないって。

ふいうちの下の名前呼びにドキドキしていたら、一回り大きな手が私の手の甲を包み込んだ。
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