イケメンモテ男子と期間限定の同居生活

「1ヶ月の予定ではあるけれど、希歩(きほ)もお父さんも、1人だと体調崩しちゃったら大変だろうから」

「……」



ハンバーグを口に含み、静かに咀嚼する。


たった1ヶ月、されど1ヶ月。
日が短くなるにつれて寒さも増してくるから余計に心配なのだろう。


だけど……。



「だからごめん。しばらくの間、お母さんのお友達の家に行ってもらっていい？」

「っ……嫌だよ！」



ハンバーグをのどに流し込み、勢いよく席を立つ。



「少し良くなったんならこの前みたいに休みの日に行けばいいじゃん。私も一緒なら2人とも助かるでしょ？」

「最初はそうしようかと思ったよ。でも、毎週朝イチに起きて長時間運転するのは体力的にも厳しいのよ」

「なら電車は？　バスかタクシー使えば座れるよ？」

「行きはね。帰りは帰宅ラッシュの時間に当たるから座りたいなら早めに切り上げないと。けどそうすると、お父さんの晩ご飯を作る時間が削られちゃうわ」