イケメンモテ男子と期間限定の同居生活
「ううん。トイレしに起きただけだから。もしかして、お勉強してた?」

「は、はい……」



部屋の中をチラリと覗かれたものの、目がいったのはちゃぶ台の上。



「そうだったの。邪魔しちゃってごめんね」

「いえ。私こそ夜遅くにすみませんでした」



秋恵さんに「おやすみなさい」と挨拶をしてふすまを閉め、足音が遠ざかるのを確認すると、その場で安堵の溜め息をついた。



「……もう、いい?」

「うん、大丈夫」



返事をすると、青倉は「あぁ〜、ヒヤヒヤしたぁ〜」と掛け布団をはいで出てきた。


友達と通話しながらテスト勉強。
言い訳にしては怪しかったかな。

でも、スマホもちゃぶ台の近くに置いていたから、多分信じてもらえた、と思いたい。


しかし、ホッとしたのも束の間。



「前から思ってたけど、このイルカ可愛いよなー。どこで買ったの?」

「え? 水族館、だけど」

「へぇー。いつから一緒なの?」

「小学生の頃。7、8年くらいかな」
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